好きな人に告白したけど、勇気が出ないという悩みは多いですよね。成功するという確信があればよいですが、そうでない場合、なかなか踏み出せないものです。
◆◆なぜ勇気が出ない?◆◆
カウンセリングの場で耳にする告白をためらう理由の多くは、「恥ずかしい」「拒絶される恐怖」「失敗したときのリスク」「すでに恋人・好きな人がいるのでは?」の4つに大別されます。「恥ずかしい」は、特に十代の若者で初恋のときに多いようです。「拒絶される恐怖」は、容姿や能力等で自分に自信がない場合や、相手を高嶺の花のように思っている場合に出てきます。「失敗したときのリスク」は、大学生や社会人に多いという印象です。意中の相手が研究室のメンバーだったり、会社の同僚だった場合、学問や仕事への影響を懸念して、ためらってしまいます。また、「すでに恋人・好きな人がいるのでは?」というのも、よく耳にする話です。あまり接点がなく情報もない相手である場合、こういう懸念が出てくるようです。もちろん他にも考えられますし、一つだけというより、複合的な場合が多い印象です。
下の表に、告白をためらう理由をまとめているのでご覧ください。いろいろな理由がありますが、これをさらに分類すると、自分だけで解決できる「心の問題(自分)」と、「相手や状況による問題」の2つに分けることができます。「△」はどちらも半々という意味です。
「心の問題(自分)」でためらっているのなら、相手に対する想いを再確認することで乗り越えられる場合がありますし、バレンタインやクリスマスなど特別なシチュエーションを選ぶことで、気が大きくなり乗り越えられる場合もあります。「相手や状況による問題」でためらっているのなら、告白する前に、よく考えましょう。具体的にどんなことが想定されるのか? それが起こる確率は何%くらいなのか? 事前にそうならないよう時期や場所を選び直したり根回ししたりできないのか? 起こり得ることを想定し、きちんと準備しておくことで勇気になりますし、万が一失敗したときも、現実的な被害を最小限にとどめられます。
「笑われる・身の程を知れと思われる・罵倒される」でためらっている場合、あなたが想っている人や友達が、本当にそんなことを言ったりするのか、落ち着いて考えることをお勧めします。よく考えた結果、心配しすぎだったとなる場合も多くあります。
「すでに恋人・好きな人がいるのでは?」でためらっている場合、情報を得る手段がないのかよく考えるべきでしょう。本当になにもなければ、一発勝負するしかありませんが、多くの場合、共通の友達がいたり、遠回しに聞けそうな機会があったりするものです。一般に、情報は多いほどよく、事前に知ることができるのなら、それに越したことはありません。
◆◆必勝法はありません◆◆
成功するか失敗するかというのは、誰にもわかりませんし、もちろん、カウンセラーもわかりません。また、恋愛に「必勝法」などというものはありません。ただ、相談することで自分の想いに気づくことはできますし、いろいろな情報を整理することで相手へのアプローチの仕方を見直すことができるかもしれません。いわば「作戦会議」のような感じでいっしょにどうするか考えれば、成功確率を上げるアイディアも出てくるかもしれません。「心理カウンセリング」というより、「恋愛相談」になりますが、そういったことにも対応しています。
◆◆カウンセラーが伝えたいこと◆◆
あの人に断られたらもう終わりだ、世界は真っ暗だ、絶望しかない・・・と告白する前は誰しも思うものです。そして失敗すると―― 実際そういう気持ちになります。ですが、例外なく立ち直れます。数日間、わーっと泣いて3日で戻る人もいれば、数週間、数ヵ月と引きずる人もいますが、いつかは必ず立ち直れます。あとで思い返せば、「あー、あんなこともあったなぁ~」と笑える日が必ずきます。
そもそも、人を好きになるということは、決して悪いことではありません。とても素晴らしいことだと思います。