昨今の日本では、過重労働・違法労働・パワハラ・セクハラなどが公然と行われる「ブラック企業」が問題になっています。また、そこまでのレベルに達していなくても、職場での嫌がらせを受けたり、無能扱いされたり、毎回仕事を押しつけられたり、そういったことが目に余るような職場も問題です。「石の上にも三年」という考えはもちろんありますし、「我慢しろ」というのは簡単ですが、そもそも仕事というのは豊かな人生を歩むためにやっているはず。体や心を病んでしまっては、本末転倒です。そういう場合、「辞める」というのも立派な選択肢でしょう。
しかし、「辞める」というのはなかなか難しいもの。いったいどうやったら辞められるのでしょうか? このコラムでは、シリーズにして解説していきたいと思います。
◆◆なぜ辞められないのか明確にする◆◆
問題を乗り越えられずに悩んでしまっているとき、問題の全体像が見えていない、または見たくないため目をつぶっている、というケースは多いものです。そうなると、なんとなく「怖い」というイメージだけが膨らんでしまい、どんどん事態が悪化していきます。
散らかっている部屋をイメージしてみてください。カウンセリングは魔法ではありません。ステッキをひと振りしてすべてが奇麗になるということはないのです。やることは片付けと同じ、ひとつひとつ整理して奇麗にしていくという地道な作業です。そのためには、まずはどこになにがあるのか? 見なければなりません。道具などが必要であれば、それを得ることも考えます。
勇気をもって見てみると、意外に道はあるものですよ。
仕事を辞められない、という悩みの場合、仕事を辞めることに対して「不安」を感じていることがほとんどですが、どのようなことを不安に思っているのか? 大きく分けて5種類あります。
- 収入や待遇が変わることへの不安
- 現職場から怒られないか不安
- 家族から理解が得られるか不安
- 辞めたい自分を誇りに思えるか不安
- 同じことが繰り返されないか不安
たいていの場合、この5つが複合していて互いに絡み合っています。収入が減るのではと不安に思い、もしそうなったら家族の理解を得られないだろうと不安に思い、家族を不安にさせたら自分は誇りがもてなくなると不安に思い、そんな気持ちで辞めるとかいえば上司はきっと叱るだろうと不安に思い、そうならないと信じたいが前もそうだったから次もそうに違いないと不安に思い・・・のようなケースだって考えられます。
混乱したままだと、なにをどうしたらいいのかわかりません。まずはひとつづつ、問題を紐解いていくことです。地道な作業ですが、急がば回れ、それが解決への近道です。
~まだ途中ですが~
今回のコラムはここまでです。次回は、どのように解決していくのかを考えていきたいと思います。実際のカウンセリングでは、ひとりではなかなか難しいこういった作業を、カウンセラーといっしょにやっていきます。興味のある方は、Confessioのホームページがここにありますので、ご覧ください。